芝桜再生 探訪 伝承 文化財検索

取材を通じての感想

結 集

旧山内村で大松川ダム完成にあわせて植栽した68万本の芝桜。2001年に「芝桜まつり」を開催できるまでになり話題を呼んだことは記憶に新しい。かわいらしい芝桜の絨毯を遠くから眺め、広い公園を散策するとなんとも言えず豊かな気持ちになった。

しかし、2004年には枯れが目立ち始め2006年には中止になってしまった。合併し横手市になってからも市の貴重な資源として高い評価を得ていたことから、観光客だけでなく地域住民の落胆はかなりのものだったと思う。その後2006年に山内地域局では専門業者へ調査を依頼し、山内地域協議会、芝桜検討会で再生への検討を重ねた。そして2007年に行政と住民が一体となり再生活動を行う「さんない芝桜事業推進会議」が発足した。

話を聞いた中でまず驚いた事が、市民、専門家、行政が「芝桜再生」という同じ目標をもってそれぞれの責任と役割を認識し、お互いに協力しながら再生活動に取り組んでいる点だ。専門業者に請負わせるのではなく、シルバー人材センター・芝桜班、地域住民、横手市役所山内地域局地域維持課、アドバイザーの皆さんが、除草、植えかえ、土壌整備などを行う。作業を進めるにつれて気が付く諸種の問題にフットワークを軽く対応するためにこのような構成をとったのだという。

共 有

市の担当者もアドバイザーも早朝の作業に参加して行動している。芝桜班は有償であるが、地域住民による活動は全くの無償ボランティア。しかも回数は自治会の裁量にゆだねられている。これがポイントだという阿野さんの考えに私も共感する。自治会によって作業ペースが月1回だったり2回だったり異なると、自治会ごとに話し合いを積極的に行い作業の統一化が図られるよう動く。なおかつ話あうことでモチベーションも維持できる。日誌をつけ記録をとることも情報を共有し、きめ細やかでかつお互いが信頼できる有効な方法だ。そして少しずつやりがいを感じる自己実現の場になっていくのだと思う。

継 続

今後5月の花の再生具合によってなんらかの再生活動の変化が起ると思うが、これらの活動を継続していかなければ芝桜が美しく咲くことはない。毎日こつこつと雑草を払い、日光があたり風とおりがよくなることでかわいらしい花を再び山内で眺めることができる。増やすという考えではなく、減らさず維持し十分に手入れが行き届く範囲で継続してこそ毎年美しい花を咲かせることができるのだという。 アドバイザーの高橋信夫さんがおっしゃった。

「せっかく作ったからなげられない」

その言葉が印象に残っている。地域的昔ながらの結いがあるからボランティアでここまで活動できるという考えもうなずける。しかし、14地区ボランティアの活動はどこまで頑張れるのか。手ごたえを感じることで永遠に継続できるのか懸念され、今後の課題になっている。

期 待

課題はたくさんあるが、昨年の再生活動に個人が貢献したという事実が今後の市民参加型社会を築く先がけになると思う。ボランンティアは当てにならないと懸念する人もいるが、行政のみが責任を持ち市民は受身という行政主導型の社会では期間や予算的都合で内容に制限が起るのは必須。この再生運動は、今後の協動のまちづくりという視点で横手市のモデル活動となるはずだ。

芝桜再生活動をたくさんの方に知ってもらいたい。アイデアを出し合いまわりからもサポートできる体制を整えていきたい。

そして何よりも、頑張っている優しい人たちにありがとうと伝えたい。

(柴田)

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